所得控除

平成26年度(2014年度)版について記載。

■ 所得控除とは

課税対象となる所得について、個人の家庭の事情や担税力を考慮して、所得金額から差し引く金額のことです。
独身だったり、結婚していたり、子供がいたり、火事で家を失ったり、入院したりと、個人によって事情はさまざま。
そうした個人の事情を考慮して、所得から一定の額を差し引くことによって、同じ所得でも納める所得税額に差をつけて、
税の公平性を行うもの。らしい

住民税においても所得控除はありますが、所得税で定める所得控除とは内容や金額が変わります。


■ 所得控除の種類

平成26年度において、所得控除の種類は15種類あります。
該当する所得控除の項目についてそれぞれの控除額を計算し合計したものが、所得控除の額となります。




■ 所得控除の取り扱い

所得控除は、各課税標準(損益通算や繰越控除など適用後の所得金額)から差し引き、残りの所得金額が
課税対象の所得金額(課税所得金額)となります。

  課税標準−所得控除額=課税所得金額

◆ 所得控除を差し引く所得金額の順番
上図を見ると、すべての所得に適用できるようにはなっていますが、複数の所得金額がある場合は、所得控除を差し引く順番は
以下のように決まっています。
順番を間違えると納付税額も変わってきますので、脱税にならないように注意してください。

  @ 総所得金額 (配当所得、給与所得、事業所得、総合短期譲渡所得、一時所得、雑所得など)
  A 土地等にかかる事業所得等の金額
  B 短期譲渡所得の金額
  C 長期譲渡所得の金額
  D 株式等にかかる譲渡所得等の金額 (株の売買など)
  E 商品先物取引等にかかる雑所得等の金額 (非くりっく365系のFXの売買など)
  F 山林所得金額
  G 退職所得金額


所得控除を差し引いた残りの金額が、各種の課税所得金額となります。
  @ 課税総所得金額
  A 土地等にかかる課税事業所得等の金額
  B 課税短期譲渡所得の金額
  C 課税長期譲渡所得の金額
  D 株式等にかかる課税譲渡所得等の金額
  E 商品先物取引等にかかる課税雑所得等の金額
  F 課税山林所得金額
  G 課税退職所得金額


◆ 差し引く所得控除の順番
また、所得控除の中に雑損控除が含まれる場合、最初に雑損控除から差し引きます。

もし、雑損控除額>所得金額であった場合、
控除し切れなかった雑損控除額の残りの額については、確定申告をすることによって、翌年3年以降にわたって「雑損失の繰越控除」
の適用を受けることができます。
また、この時点で課税対象となる所得金額が0円になり、納付税額も0円となりますので、残りの所得控除の金額は無視されます。



◆ 課税所得金額の計算例