売却損益を計算する上で問題なのが取得費(取得価格+購入手数料)の計算です。
1回購入して、それを1回または複数回に分けてすべてを売却ならば計算は簡単です。

たとえば1000ワラント(@10 手数料1000円)購入して、
1000ワラント売却ならば、取得費は1000ワラント×@10+1000円=11000円、
500ワラント売却ならば、取得費は11000円×500/1000=5500円。

問題なのは、複数回購入して、それを複数回に分けて売却する場合です。
このときに売却する際の損益を計算する取得費はどうやって計算するのか?という問題が発生します。
それによって取得費もかわってくるため、ひいては損益にも直結するため、いわゆる「利益操作」ができます。
満期前のカバードワラントの売却には50万円までの特別控除が絡んできますので結構重要だと思います。

計算する方法としては、先入先出法と総平均法が考えられます。
現物株の売買では、「総平均法に準ずる方法」で行うよう所得税法に明記されていますが、 カバードワラントのことは明記されていません。
明記されていないということはどちらでもよいと個人的に考えます。
(明記されていませんが、まぁ、総平均法が無難かと・・・・)

先入先出法とは、購入した順番に売却していくという考えにより取得費を計算する方法です。
総平均法とは、売却時にそれまでに購入した分の平均を計算して取得費を計算する方法です。
簿記3級レベルです。

例として、
6/1 1000ワラント取得(@10 手数料1000円)   6/7 1000ワラント取得(@12 手数料1000円)
6/2 2000ワラント取得(@11 手数料1500円)   6/9 1000ワラント売却(@13 手数料1000円
6/5 500ワラント 売却(@15 手数料500円)    6/11 2500ワラント売却(@14 手数料1500円)
の取引で説明します。


みてのとおり、計算がしやすいのは先入先出法です。
しかし総平均法では平均単価は1円未満切上というカラクリから若干利益が減ることがあります。
とはいえ、 よく考えれば、所得税を計算していくと所々で「1000円未満切り捨て」、「100円未満切上」などが あるのでそれくらいの差は意味がないと思います。
よって、エクセルなどで管理しやすく、しかも実際の損益と(ほぼ)変わらない先入先出法がよろしいかと思います。
とりあえず面倒ですが、総平均法で計算しましょう(個人的な考えです)



*カバードワラントの売却以外に、短期譲渡所得に該当する所得がないとして説明しています。*

所得税額の計算




住民税額の計算
所得税の計算方法と同じですが、所得控除の各項目の控除額が違うこと、超過累進税率ではなく10%の固定率であることが 所得税と異なります。
詳細は、後で書きます。



*カバードワラントの決済以外に、雑所得に該当する所得がないとして説明しています。*

所得税額の計算




住民税額の計算
所得税の計算方法と同じですが、所得控除の各項目の控除額が違うこと、超過累進税率ではなく10%の固定率であることが 所得税と異なります。
詳細は、後で書きます。